キャンプのその後
ヒデと共に豆推し界隈の方々と合流。
そして豆推しの忘年会に参加しようとして、一緒に歌舞伎町へ侵入。
これが悪夢の始まりだと言うことを二人はまだその時知らなかった…
僕らは攻めた!
ギラギラと輝くネオンにも負けずに。
脇目もふらずにフグ屋へ向かって一歩一歩確実に進んだ!
気分は既に豆推し界隈の一員だった。
しかし彼らにはあって僕らには足りないモノが1つだけあった。
そう、それはお金という名の大きな壁。
そいつがフグ屋への僕らの侵入を防いだんだ。
仕方なく彼らと僕らは別々の道を歩むことを選択する。
これからが悪夢だった。
フグ屋の前で彼らと別れた僕らは急に縮こまってしまった。
見渡すかぎりのネオン街。
絶え間なく声をかけてくる恐い人たち。
豆推しのみんなと一緒の間は気にもしていなかったのだが、僕らは歌舞伎のネオン街のど真ん中へと迷い込んできてしまったのだ。
ここでは道を歩く女の子はみんなキャバ嬢に見え、立ち並ぶお店はみんなボッタクリ店に思えてくる。
周りからの見えない圧力が二人になった僕らの気持ちを小さくしてしまった。
僕らは急いだ。
この歌舞伎という名のジャングルを一時(いっとき)でも早く抜け出すために。
だがその気持ちとは裏腹に、行きは短く感じていた駅までの道のりが帰りはとても長く感じる。
「もしかしてこのネオン街は永遠に続くんじゃないか…」
そう思い始めた瞬間、やっと見慣れた街並みが見れた。
「助かった…」
その一言を言い残し、二人は崩れ落ちていった。
終。